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『引き際』と『覚悟』のマッチング!!

baton

皆さんこんばんは。
経営コンサルタントとしての仕事の相談内容で、
最近けっこう多く寄せられるな~と感じている案件は・・・

「後継問題!!」

自分も自営業(設備工事)の家に生まれ育ったわけですが、
そんな家庭には、あるタイミングで
「必ず先代社長から誰が経営を引き継ぐのか!!」 という場面が訪れます。
自分の家は、中学もしくは高校の頃に親父から
「自分の好きなようにしてよろしい!!」という通達が
あったので(うろ覚えではありますが) 現在に至っているわけで・・・
でも、中学生~大学生まではスコップを持って頭にタオルを巻いて汗水たらしながら
穴掘りのお手伝いはしていましたよ。
ですから、今でも穴をほらせたらまあまあの仕事はするはずです

我が家のように社員やスタッフを雇用していない社長一人での運営形態であれば
引き継がなくてもそんなに大きな問題はないのかもしれませんが、
社員が何十人、何百人もいる会社の後継者として生まれた場合は、
背景がぜんぜん違う
わけで・・・

私がサポートしている幼稚園・保育園でももちろん後継問題はつきもの!!

①現園長のご子息が引き継ぐパターン
②現園長の親戚関係の方が引き継ぐパターン
③血縁関係ではない、第三者が引き継ぐパターン
④引き継ぐ人が見つからず、閉園するパターン

そんな後継パターンに分けられるでしょう。
今回は、特に①のパターンについて、最近思っていることを整理したいと思います。

①のパターンで非常にうまく引き継ぎができている園と、全くその逆で引き継ぎがうまく
できず、園運営に非常に悪影響を及ぼしている園が存在するというのが現実です。

【引き継ぎがうまくできている園】
先代が引き継ぐタイミングをちゃんとイメージしていて、段階的かつ計画的にフェードアウトしていく。
そして、後継者がそのプロセスの中で段階的に園長業務全般を身につける時間がある。
後継者の組織への信頼度や影響度がしっかり高まった時点で、いざ引き継ぎが行われる!!
上記を互いの共通理解(暗黙の了解)の中で実行できている。

【引き継ぎがうまくできていない園】
(Aパターン)
もともと親子の仲が悪い。後継者本人が引き継ぐことにもともと前向きでない。
でも誰もいないからという理由で、しょうがなく嫌々気分で園のサポートをしている。
そんな状態だからトップと後継者で普段のコミュニケーション不足&意思疎通不足。
そんな状態だから、園の雰囲気は当然悪い・・・という悪のスパイラルに陥いっている園。
引き継ぎをした途端、後継者は先代を否定するような改革をするので
先生達はその園の行く末が不安になり退職者続出

(Bパターン)
後継者はそれなりにやる気もあり、自分なりのビジョンを持って頑張ろうとしているが・・・
現園長が、その後継者を信用信頼できずに、口ではいつ譲ってもいいのだがと言いながら
実際には、実権をいつまでたっても渡してくれない。

つまり、自分以外に権限委譲できないトップが長年存在し続ける・・・
指示系統が2つになって、現場の先生はどちらに指示を受ければよいかで混乱する。
そのうち、後継者はモチベーションを失い、なかばあきらめ気分で仕事をするようになる
ひどい場合は、組織全体が園長のご機嫌とり集団へと残念な進化を遂げて行く・・・

(Cパターン)
後継者がいわゆる「おぼっちゃま」「お嬢様」の箱入り状態で・・・
自分の家庭と園以外の世界を体験をしたことがほとんどなく、おのずと社会人としての成熟度
が低く、そんなことはなんとなくご両親(園長夫妻)もわかりながらも、良い手立ては考えられず、
そのまま後継者として引き継がせようとするが、当然、互いに話しても前に進まず・・・
その状況に向き合うことから逃げて、後継問題が無計画のまま運営されている園。

上記はあくまでも自分の仕事経験からの事例パターンであり、
それ以外にももっと複雑な事情を抱えている園の相談などにも対応することはたくさんあります

第三者の視点、そして園のコンサルタントとして思うことは・・・

「トップは引き際のベストタイミングを常に意識すること」

「トップは後継者に段階的な権限委譲を進めていくことが後継戦略」

「かっこいい引き際とは、惜しまれつつ去ることでもある」(もう限界だなとまわりが思うときは遅し)

「後継者は、創業者、先代を全面否定すると成功しない」

「後継プロセスは、あらゆるアンテナを張って謙虚に学ぶ時間である」

「後継者は、後継プロセスの中で、自園の先生達の絶対的信頼をつかむことが大切」

「親子げんかは自宅ですること、職場にそんな雰囲気を持ち込まない」

こんなことをトップ&後継者がしっかり意識して、後継問題と向き合い、共通理解
できている園は、引き継ぎがある程度うまくいくのではないかと思いますね!!

そして、後継者とお会いしてお話することも多いのですが、この方は将来良いリーダー
になっていかれるだろうなと思う人もいれば、ちょっと心配だな~と正直思う人もいます。
では、その違いは何から感じるか??それは・・・

 『覚悟のレベル』

もちろんそれだけで判断はしていませんが、
自分が一番強く感じとるのが「覚悟」ができている人間なのかどうかということ。

トップになる覚悟とは・・・
 「すべてが自分の責任である」と思って
 言動し行動するということ!!

だと自分なりには考えています。

つまり、『覚悟のレベル』とは『自己責任性のレベル』とも言えます。

それらは、話している内容や言葉一つ一つ、日々の行動に反映されていくわけですよね。
話している中で、他人のせいにしたり、先代のせいにしたり、先生や保護者のせいにしたり、
そんなトップやリーダーには、誰もついていきたいと思わないわけで・・・

「すべては自分の責任である」という覚悟をすることは大変だと思いますが、
組織のトップになるということは、それだけの覚悟をしなければ務まらないということ
だと思うのです。

「すべてを自分で背負っていくための自信と覚悟を手に入れる」
ために、後継者はひたすら学び続ける必要があるのかもしれませんね。
それが、大切な準備の時間なのだと思います。

『引き際』と『覚悟』

それがうまくマッチングしたとき、
次の世代へのバトンタッチがうまく成立するのだと思います!!

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