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教育&育成のコツ?? ~余白にワクワクできる人を育てる~

20210510

子どもに大切なのは『余白』

頭がいっぱいになったら考えられないし新しいものが入らない・・・

そんなコメントを先日見たテレビで安東忠雄さんが語っていました

そして、日本が見直すべき価値観という話の中で、
志高き日本人としての自覚を持つことが必要であること。
そして、相手やまわりに合わせることよりも

『自分は自分の道を行く』

という 人間が増えれば、日本はもっと元気になる・・・

といったような話もされていました。

自分も幼児教育の現場で仕事をしている時間が多いわけですが、
このようなお話にはアンテナが敏感に反応しますね。

『余白』とは何か?

子どもが自分で考える余地を残してあげることだと思うのです

その子がわからないから、泣いているから、駄々をこねているから・・・
そこで短絡的に、子どもにすぐに解決策を与えることが良いことなのかどうか??
すぐに手を差し伸べることが良いことなのかどうか??

それこそ、子どもが自分で考える時間や問題解決をしようと自助努力する時間、
つまり、子どもにとっての重要な『余白』を奪い取っているということになる

その場はクリアできますが、自分で考えて何かを乗り越える経験や体験の量
を増やすという学びのプロセスにはなっていない

つまり、その時間は経過や対処でしかなく、成長の時間につながりにくい

詰め込み教育? 偏差値教育? そんな教育風土の弊害として、
『何かを問うことよりも、答えを出すことを優先する』というスタイルが
身についてしまっている方を見かけることが多いような気がします。

だから、自分で考えるという行為よりも先に、ネット検索してその答えを
リサーチするという行為を優先してしまう

便利になった世の中における、1つの弊害なのかもしれないと思いますね。

もちろん、答えを出すことも重要なのですが、
そんなスタイルに固執してしまっていると、自分の中で答えが見えないもの
に対してはチャレンジできない、行動を起こせない人が増えてしまう
ように思います

社会に出たら、問題解決能力のレベルが高い人なのか低い人なのかが
まわりから信頼される大きなポイントになることは言うまでもありません

だからこそ、小さいときに、自分のまわりに降りかかる数多くの問題に対して、
自分で考えて自力で克服する体験をさせてあげることが重要だと思います。
もちろん、大人やまわりの人達のサポートが必要かもしれませんが、
サポートの仕方を間違えないようにしたいものです

26歳の時、世界初の単独無寄港ヨット世界一周というとてつもないことを成し遂げた
海洋冒険家の白石康次郎さんは・・・

小学校に入学したときに、母親を亡くし、父親と明治生まれのおばあちゃんに
育てられたそうです。
そこで、父親からよく言われていた言葉は・・・

勉強するかしないかは自分で決めろ、
 但し将来、勉強していなくて困っても
他人のせいにするな!!」

そして、白石家のルールは「すべて自分で決めること」だったそうです。

つまり、白石家の子ども達の頭の中は『余白』だらけだったわけですよね

その大きな余白の中で考えた将来の夢・・・
鎌倉の海を見ながら思いついたこと、それがヨットで世界一周することだったのです。

202105101

もし、白石家の方針がそうではなく、詰め込みで親がすべて決めていたら・・・
日本が世界に誇る海洋冒険家『白石康次郎』という人間は存在しなかったことでしょう。

 そんな白石さんの言葉・・・

 世の中のすべては変化する(それを受け入れることが重要)
 すべてを受け入れるとは、すべて自分の責任だと思うことである。
 苦しみから逃げることはできない。
 しかし苦しみを苦しみでなくすることはできる。
 すべては自分の心の在り方で決まる。 

これ自分の中で大切にしている言葉です。

それなりに年をとり、経験も重ねて、仕事やプライベートを通じて
たくさんの方々と接してきて、今思うことは・・・

『余白』にワクワクする人もいれば『余白』に恐れを感じてしまう人もいる

ということ。

『自由に自分で考えてやってごらん』というメッセージに対して、
それをワクワク楽しそうと受け止める人もいれば、その大きな余白を自分
で埋めていくことに自信がなく、イメージもなく、それが恐怖となって
ネガティブに受け止める人もいますよね

余白を埋めていくためには、創造力であったり、クリエイティブの力が求められます
自分が大切にしているのは、その人のそれぞれの力を理解、把握した上で
『与える余白の調整』をしてあげること
それが、教育や育成の現場ではとても大事だと思っています。

1割教えれば自分であとの9割を埋める力を持っている人もいますし、
8割くらい教えないと残りの2割を埋められない人もいますよね。

同じ人間でもその人なりの成長のステージで埋められる余白の量が違うわけです。
余白を自分で埋められる割合を上げていくのがまさに成長するということ

すべて教えてもらって完遂できた経験ではなく、全体の何割かの余白を自分の
考えや工夫や創造力によって埋めていく経験が人を成長させていく
と思っています
そして、最終的に100%の余白を自分で埋めて、何かの問題を解決できる、世の中
になんらかの価値創造をしていくことができる。そこを目指すべきではないでしょうか。

それを、チームマネジメントやチームワークという視点で応用すれば、

『それぞれの得意や強みとしている余白を的確にシェアし合う』

ことが重要ですよね。

この余白はAさん担当、この余白はBさん担当・・・
それを的確に判断して、振り分けられる人が優秀なリーダーでしょうね
おそらく、それをできる人って、自分でもそのような余白を埋める経験や
プロセスを通じて成長してきた人なんですよね~

更に、もう少し付け加えると・・・・
Cさんが将来的にこんな力を身に付けたいとか、こんな人になりたいという
ことを日々のコミュニケーションの中から把握しておいて、そこに向かって
いくために、必要な余白を与えることも教育&育成の大切なポイントかと思います

そこで重要なのは、余白を与えながら寄り添ってサポート&アドバイス
をしていくこと
ですよね。たまに、”与えっぱなしの放任”というスタンス
の人がいますが、それではCさんは不安であり、モチベーションが上がらず・・・
そこのさじ加減を上手にやっていくこともマネジメントポイントとなるでしょう。
 
『その人にとって、成長するために必要な余白は何か?』

『そして、それをどのタイミングでどのように与えるのか?』

これを見極められる力。教育や育成を担う人にとって必要な力だと思います

大人の教育&育成も、子どものそれも基本的には上記に書いたポイントは
まったく一緒じゃないでしょうか

少なくとも、自分に降りかかった余白を恐怖と思うのではなく、
与えられた余白に対してワクワクできる子どもや大人が、素敵な未来を創る
担い手になっていくのでしょう

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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