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少子化時代の勝ち組園!! ~良い状態のときにこそ、次の一手を打つ~

20210527

なんか良い雰囲気のオープンテラス
あくまでもこれはイメージ画像ですが、昨日訪問した東京の認定こども園
では、保護者がほっと一息できるような素敵なオープンテラスが新しく
設置されていました まさしくこんなイメージです。

『コロナの影響で、お出迎えの密を避けるためにも、今までのスペース
 以外に、もう1つお出迎えのスペースを作ったんだよ』
と園長先生。

やはり、成功している方は、逆境をチャンスに変える力を持っています

東京にあるこの認定こども園に訪問した理由は・・・

『園の第三者評価』をしてほしいと弊社CLPにご依頼があったからです。

私が主催運営していた『幼稚園向け園長勉強会』の1期生の園長先生であり、
それから長年の知り合いでもあるのですが・・・
2年前に第三者評価を初めてご依頼されて、それから再び今年度もお願いしたい
とご連絡をいただきました

今思えば、だいぶ前になるのですが、その勉強会に参加してくれていた園長先生
は、皆さん業界で成功モデル園を運営さていて有名になられていますね~
ちょっとは、私の勉強会の価値もあったのでしょうか・・・

少子化&コロナの影響で多くの幼稚園が園児募集に苦戦している中、
この認定こども園は、270名だった定員を315名まで増員して、
更に満員御礼で申込をお断りしているほどの大人気園

久しぶりにお会いして園長先生の話を聞きながら、なんでこの園が成功
しているのかがよくわかりましたね。
 
『良い状態のときにこそ、次の一手を打つ』

このスタンスが常にこの園長先生の思考の中にあるんだなと・・・

今回新しく設置したオープンテラスは、おしゃれなカフェスペースの雰囲気で、
室外用のストーブも最新型のものが3機も設置されているので冬でもあったかい
保護者はそこで、リフレッシュ休憩をとりながら、子ども達を笑顔で見守っています
そのシーンがすごくおしゃれな感じでしたね~
このテラスでは、保護者との面談やちょっとした談笑なども行うそうです。

先生たちも自由に使えて、ここで美味しいコーヒーを堪能しながら、
少しリフレッシュタイム・・・スタバにいるような感覚になれますよね~

そして、続けて紹介されたのが、”最新型の霧噴射システム”
スイッチオンをすると、園舎全面の壁から霧が噴射されて、それもかなりの勢い!!
でも、その霧はいっさい濡れることのない特別な霧

これが特別らしく、夏場に使用すると園庭や外の気温がかなり涼しくなる
そして、コロナ対策としては乾燥している時期などは、湿度を高める効果あり。
そして、霧がけっこう煙のようになるので、何かのイベントをやるときなどは
それをドライアイスのように演出に使える
そこにライトアップをしたらかなり幻想的になるんだよ・・・
と園長先生がうれしそうに話していました。

この霧のアイデアについては、椿山荘からそのネタを仕入れたそうです。
『東京雲海&千の光のライトアップ』

202105271

これを、自分の園に取り入れようとする発想がすごい
そして実現してしまったことも更にすごい

園庭は、Jリーグのグランドでも採用されているレベルの人口芝
そこには、ラインを引く、消すという手間と時間を削減するために
すでに必要となるラインが引いてあるから、先生たちは石灰で手が
汚れることもありませんし、引く消すという時間もかからない

砂場も砂が風邪で飛ばないように、ブロック&椅子で上手に区分けされていますし
人口芝も土埃がたつわけではないので、掃除もだいぶ手間が省かれます

それは、すべて園長先生がいろいろなことを配慮、考慮してカタチにしています。

昨年度、4月~5月、最初の緊急事態宣言が発令されたとき、
幼稚園業界は、自宅で過ごす子ども達にどうやって教育を提供したらよいのか?
基本的にIT対応に弱い園が多く、試行錯誤&四苦八苦しているところが多い中、
いち早くリモート授業システムを導入して、その2ヵ月で発信した
動画教育プログラムは、なんと450

動画で教育プログラムを提供している園はそれなりに存在していましたが
450動画を発信している園は聞いたことがないですね。
つまり、その園は、通常と同じ教育の質をその時期でさえも提供できていたこと
になります。しかも、パソコン等の機材をそろえるのも補助金を上手に活用
して対応しています

園長先生曰く、前からもっとITを活用したいと思っていたので、
ある意味、コロナという状況の中で、それを思いっきり進められたことは
園にとって新しい教育提供方法のノウハウ構築になった

入園説明会も動画発信で行ったけれど、これからはコロナが収まっても
説明会は動画で進めてまったく問題ないことがわかった
と。
そのほうが、小さい子どもを連れてきて集中できない環境で聞いてもらう
よりも集中して聴いてくれると。

もともと、学童保育にも力を入れている園なのですが、自園での学童運営
の他に、地域の小学校から委託を受けて、運営している学童がプラス2か所。

その学童も人気があって定員を段階的に増やしているそうで、学童の生徒が
トータルで現在は約300名
いるそうです。

幼稚園で300名以上、小学生で300名・・・計600名以上

それに加えて、昨年度コロナの影響で各園がバタバタしている中、
一手進めたのが『障害児のための発達児童支援施設』の立ち上げ。

本当は2か所同時に開所したかったらしいのですが、役所の申請許可対応が
ぜんぜんスピーディーでなく、まずは1か所からスタートすることになった
そうです。社会的ニーズは以前に比べて高まっていることは確かですからね

園の近くの賃貸物件を契約して、内装もそれなりにこだわって投資して
いるので、ハードの有効活用ということで・・・

『2歳児の少人数限定幼児教室』もスタートしてみたそうです。

月謝35,000円で10名限定

開所1ヵ月前に急に募集してまあ誰も反応ないかもなと思っていたそうですが、
4名ほど申込があったそうで、この運営モデルもテストしながら、
展開していけたら園児募集におけるシナジー効果も期待できる。
新しくておもしろいモデルだなと思います

そして、更に次の一手として、保育料5000円アップ検討中とのこと・・・

何回か訪問しても何も新しい取り組みがプラスされていない園もあれば、
この園のように、次から次に進化している園もある。

まあ、おわかりかと思いますが、成功している園に多いのは後者ですよね~

まあ、これだけの展開を進めているわけですから、気になるのは人材の問題。
確認したところ、現在の雇用数は常勤職員42名、非常勤職員23名でトータル65名。

おそらく、これを読んでいる業界関係者の方であれば、
リクルートが大変だろうな~と思っていることでしょう。
最近、リクルートで悩んでいる園がけっこう多いですからね~
私のところにも専門コンサルタントなので、リクルート対策の相談は多くなっています。

ところが、リクルートに関してもまったく困っていなくて順調そのもの
ここ2年間で20名の採用、そのうち新卒採用が15名。
青森、沖縄、鹿児島出身の方などもそこには含まれているそうです。
そして、採用をお断りするほど、問合せがあるとのこと。

実は、すでに今年度も現時点で4名の学生からすでに就職させてほしいとの
オーダーがある
そうです

組織のオペレーションとしては、代休を平日でも先生たちが上手く消化
できる体制を確立しています。
これって、今までの幼稚園の運営システムでは
実現不可能だと思われていたことですが、それは思い込みだということを
この園が実証していますよね

何人かのチーム編成の先生たちと園長先生がいつも雑談をする時間を定期的にとって、
基本的には全員とその時間をとるようにしているそうです。
だから、教職員の変化には自分がいち早く気付くことができるんだと言っていました。

まさに、これが『勝ち組園』です。

すべてが好循環しているし、打つ手がすべて成功している状況

リクルートに関して、自分なりにある程度の答えがでているのですが、
結局、リクルート対策だけやっていても大きな効果を出すというのは
難しく、トータルブランディングが成功した結果として、リクルートも
連動してよい成果につながるということ
なんですよね

まあ、今回、まざまざと勝ち組園の実態をいろいろと肌で感じる
機会を得られましたし、”百聞は一見に如かず”だなとも思わされましたね。

2年前に第三者評価をしたときの、利用者満足度指数も、多くの項目で
90%以上をたたき出していました。このレベルはなかなか出ない数値なんです。
まさに数字的にも人気園という証明がなされています

でも、そこに甘んじることなく、更に次の一手、二手を打ち続けている。
繰り返しになりますが、

『良い状態のときにこそ、次の一手を打つ』

これは、まさしくこの園の事例にあるように”勝ち組のポイント”になります。
幼稚園や保育園業界に限らず、オールマイティーな勝ち組ポイントでしょうね。

もう少し違う言い方をすると、良い状態のときだからこそ、次への一手が
余力を持ちながら進められる
ということです。

ジリ貧で、目の前のことで精一杯で、資金的にも人材的にも精神的にも
余裕がない状態では、次に向かって前向きな一手を打てるような状態ではないわけです。
そして、何も打てないからもちろん悪循環のスパイラルにはまっていく

園長先生が言っていました・・・

あと3ヶ月くらいしたら、またいろいろな次の一手に向かう案件がでてきそうだから、
それまでの3ヶ月で第三者評価をやって、地固めのヒントを得ようと思って
雑賀さんにまたお願いしたんだよ
と。

「現状維持は退化である」
「留まるのではなく常に動きながら考える」

というスタンスをこの園長先生から学ばせてもらう時間になりましたね。

そして、最後に園庭でサッカーを楽しんでいる子ども達を一緒に見ながら
園長先生が一言・・・

『園長の仕事って、上手くいく仕組みを作ることだと思うけどね』

まさに、私もそう思います。

それを、自分の言葉では『環境プロデュース力』と言っているのですが、
新制度の認定こども園への運営移行も、素敵なオープンテラスも、霧噴射システムも
学童保育の展開も、発達児童支援施設の展開も、2歳児の特別幼児教室も
すべて、この園長先生の環境プロデュース力が高いからこそ実現できること

そのためには・・・

常に最新の情報を仕入れること、
常にアンテナを張って世の中のトレンドや動きを察知すること、
常に未来を見据えた今すべきことを考えること、
そして理想を持ちそれを高めていくこと。

それらのギャップがそれぞれの力の差を生んでいくのかなと思います。

昨日はすごく刺激をもらえたのと、勝ち組の実態を感じられたとても有意義な
一日になったので、それをシェアしたくて今回のメッセージとさせてもらいました。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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