コミュニティマーケティングのポイント ~既存客と新規客の融合を生み出す~
- 2021.10.10
- CONSULTINGSHONAN CROSS LIFE
つながる怖さ マーケティング コミュニティ 顧客リスト 既存客と新規客 売上よりも利益
先週末のコンサルティング先は、北関東で自動車販売業を営んでいる法人。
各拠点(5拠点)の店長から、各月の実績報告を受けて、更なる業績アップポイントや改善すべき施策をコンサルティングアドバイスする仕事。これまでの商いの歴史の中で蓄積してきた顧客データがグループ全体で現在約36000件(管理できている顧客データ総数)あります。実際には、ちゃんとフォローできず疎遠になっていたり、担当者の引き継ぎ対応が不十分でほったらかし状態になっているお客様なども含まれているのが実態。
それぞれのお客様とのつながり方(売上や接点頻度)に応じて、ランク分けされているのですが、最新バージョンに更新されていないリストもその中に多数含まれているため、再度、あらためてご縁の結び直しをすることで、過去の思い込みから未来へのニーズの掘り起こしをしてもらうことが業績アップポイントの1つになります。
そして、今回のマーケティングコンセプトとして全体でシェアしているのが・・・
『量から質の追求へ』
安価の車や値ごろ感のある車をたくさん売って売上を確保するという薄利多売の構造ではなく、お客様とのつながりや信頼度を高めて自社(自店)のファンになってもらうことで、付加価値の高い商品&サービスを提供できる体制へのシフトチェンジを図ってもらっています。
つながりが強化されて長い間1人のお客様との良い関係性を維持することができれば、いわゆる『ライフタイムバリュー』という指標が高まるわけです。車をたまたま1回購入しただけの関係でははく、そこからスタートするその人のトータルカーライフを一生支えていきますという考え方やスタンスへの進化を店長やスタッフには求めています。
車を所有すれば、車検があり、メンテナンスがあり、保険があり、故障があり・・・自分もつい最近、自分の車が故障してディーラーに修理依頼したら、その交換部品を海外から取り寄せるのにコロナの影響もあって??なのか2ヵ月もかかって、ようやく先日、我が家に戻ってきました。我が家は2台体制なので、なんとか2ヵ月は1台でしのぎましたが、それなりに家族の生活に影響はありましたね。
そんな感じで、車を所有していればいろいろなことが起こりますから、そんなときに信頼できるサポート役になれるか否か。当然、修理をすれば費用が発生するわけで、その受け皿になれていれば、売上にもつながりますからね。
『量から質へのシフトチェンジ』の途中ではありますが、皆さんの意識変化&行動変化に兆しがちゃんとデータ上でもでてきていて、販売台数は少々前年割れをしていても、1台当たりの粗利が1.5倍~2倍近くまで上がっているお店が増えてきました。自分も経営コンサルタントとしてお客様の会社やお店の数字はチェックしますが、売上よりも利益のほうを注力してチェックします。だって、売上がよくても赤字が継続していたら会社は存続できませんので・・・
先日、ある店長から今後の企画として、地域の専門学校とのコラボ企画がスタートしそうです。との報告がありました。たまたまお客様の中でその専門学校で働いている方がいたらしく、その学生さん達が社会人になるときに、車を購入することも多いということで、まずは学生さんへのアンケートをとって、その内容に沿ってこれからコラボ企画を考えていくというもの。
このケースのように、地域には必ずなんらかの『コミュニティ』が複数存在します。これは学校というコミュニティケースですが、その人自体は1人のお客様なのですが、そのバックには、その学校の150人の学生さんが存在する。そしてその学生さんには必ずそれぞれの家族というコミュニティがあるので、そこにもつながっていく可能性があるということ。そういう発想で、1人のお客様のバックボーンを探ろうとしている営業スタッフと、ただの1人のお客様としてしか見ていない営業スタッフでは、その後の展開が違ってしまうことはなんとなく予想がつくかと思います。だから、すべての店長に、営業スタッフにそのような意識でお客様1人ひとりとコミュニケーションをとっていくことを伝えてほしいとアドバイスさせてもらました。
『地域の1人とつながり、地域コミュニティとつながるきっかけをつかむ』
これが中長期の販売強化戦略としては重要だと考えています。
私はこれを『コミュニティマーケティング』と呼んでいて、実は弊社CLPのクロスライフプロジェクトも同じような概念で運営していこうとしているのです。
1つのコミュニティとすでにつながっている人達は、別のコミュニティにとっては今までつながっていなかった新しい人達。だからその2つのコミュニティが接点を持てたら、既存客と新規客の融合が生まれる。そんな環境をプロデュースしている人達が存在したり、それが起こっている場所が自然発生的に存在しています。
先日、湘南クロスライフプロジェクトのインスタグラム運営サポートメンバーとミーティングをしていたのですが、取材をする中でわかったことは、それぞれ誰と誰がつながっていてある種のコミュニティが存在していることは知っているが、そのコミュニティと自分達が直接つながっているわけではない。そんな話を数人から聞く機会があったとのこと・・・つまり
『気になっているコミュニティがあるけれど、つながるきっかけを持てていない。』
ということなんでしょうね。だから、そこを良い意味でおせっかいしてつながるきっかけをつくってあげたら、良質な融合が生まれる可能性あり。そんな役割をクロスライフプロジェクトを通じてCLPがやっていこう!!という想いがその話を聞いて更に明確になりましたかね~
地域に根差したビジネスを展開している方々にとって、上記のような『コミュニティマーケティング』の発想は中期的な戦略としてとても重要だと思います。
インスタグラムでも#タグごとにいろいろなコミュニティが存在していることを発見できます。皆さん、誰かと楽しく有意義な関係でつながりたいというニーズはあるんだけど、それと同時につながる怖さも持っているんだろうなと思います。だって自分自身がそうですから。
誰とでもつながりたいとは思っていなくて、やはり自分自身の思考や考え方や生き方のスタンスとマッチングが良い人達とのつながりたいわけです。これは誰しもそれと近しい感覚があるのかなと思いますね。
そこであらためて思うことは、
『思考や考え方やスタンスなどをちゃんと発信することの大切さ』
勝手に都合よく、自分の繋がりたい人とつながれるわけではなく、やはり発信力やプレゼン力が重要。それを受けて、その想いや考え方やスタンスに共感・共鳴した人達やコミュニティとつながる可能性がアップする。日々の活動の中でそのための準備を怠ってはいけないということでしょうね。
先日のサポートメンバーとのミーティングでも話題になったのですが、11年半書き続けて1400投稿以上になったこのブログ。『すごいですよね~』『自分では絶対にできない・・・』とお褒めの言葉をいただきました。ただの出来事を書くのではなく、そこに自分自身の思考や考え方やスタンスを付け加えてメッセージ化することを自分に課して書き続けてきました。
だから、『雑賀さんてどんな人ですか?』と聞かれたら、このブログをある程度読み込んでもらえたらいいのかなと思っています。嘘偽りない自分の感覚と言葉で書いていますので、まさに雑賀竜一という人間がどんな人間なのかは、このブログにある程度凝縮されているのかもしれません。(ちょっと大袈裟かも??)
そして、特に若いメンバーに伝えたことは、いくら年齢を重ねようが、
『自分に自分で何かを課して、それを守り続けているという実感を得ながら生きる』
これを大切にしたほうがいいよということ。他人ではなく自分との約束を守る。決めたことをちゃんとやる。自分を大切にするってそういうことも大事だと思っているし、誰かに何かのメッセージを発信する上での自信や自負みたいなものの源泉をもっていたほうがいいということ。そのほうが説得力も高まるということ。
今日は、コンサルティング現場の話、コミュニティマーケティングの話を通じて、最近自分が感じたこと、大事にしていることを書いてみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。