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教育のゴールとは何か? ~地域・社会のリーダーを育てること~

先日、このご時世、軒並み園児数が減少している園が多い中、園児数を伸ばしている東京都で人気の認定こども園の第三者評価(現状診断)プロジェクトの報告で、その園に訪問してきました。

3年前にもご依頼されて、今回が第2回目の現状診断。3年前から比べると運営規模が拡大して、自園に通う園児数が約300名、自園の学童保育に通う児童が約100名、地域の2つの小学校学童保育の運営受託というスタイルで接点を持つ児童数が約200名、地域や社会のニーズをいち早く察知して今年度から児童発達支援施設も1園オープンさせたこの園。私から見ても、少子化時代に勝ち残るための運営戦略を見事に実現しています。

運営展開の戦略が長けているのはもちろんですが、この園の強みはそこだけではないことが更にこの園の人気に拍車をかけています。そのキーワードは・・・

『働きやすい職場づくり』

上記プロジェクトを通じて、先生たちへのアンケート&ヒアリング実施を行ったわけですが、基本的にはES(従業員満足)が高い組織実態が浮き彫りになりました。先生たちのキャリア構成のバランスが良く、若い先生が相談しやすい環境、困ったときのフォロー体制がしっかりしている環境、他園に比べても福利厚生施策がかなり手厚い環境・・・そんな背景が合わさって、多くの先生が働きやすい職場だと感じている。

だから、多くの私立幼稚園が苦戦しているリクルートに関しても、まったく困ることなく、多くの就職オファーがあるそうです。もちろん、リクルート専用ホームページやリクルート専用パンフレットやリクルートチームの編成など、基本的に取り組むべき施策はすべてやっていますけどね。

基本的に取り組むべき施策はやっているけれど、リクルートの良い反応がでてこない園と上記の園のようにどんどん良い人材が集まってくる園の差は何か?それが・・・

『働きやすい職場づくりによるESの高い状態維持』にあることがわかってきました。

つまり対外的なことの前に、内部的なインナーブランディングが大事だということになります。この職場が好きで働いている人のシェアをどれだけ高めることができるかが、トップマネジメントの手腕ということ。

弊社CLPがコンサルティングさせてもらっている園は特にそこにフォーカスしてもらうことが多いわけですが、その1テーマとして強化したいのが、『理念・ビジョン・教育方針等の浸透レベルを高めること』になります。どんな想いを大切にどんな教育活動を提供してどんな子ども達を育てていくのか?その浸透レベルが各園によって大きく違う。これは長年の経験値でよくわかっていること。

ちなみに、この人気園の浸透度はかなり高いレベルだという診断結果をださせてもらいました。だから人気を維持し続けているとも言えるでしょう。これは、継続的にトップがその想いをいろいろな場面でいろいろな言い方で伝え続けてきたからに他なりません。それを受けた幹部&リーダークラスが翻訳しながら若い先生たちに上手に伝えていくカルチャーが成立しているということもキーポイントになります。

特に個人的に共感度が高かったフレーズが・・・

『私たちは地域のリーダーを育てていきます』

全員とは言いませんが、多くの先生たちからこのフレーズが発信されました。もちろん、このフレーズは園長先生が昔から言い続けているこの園の教育コンセプト。

最近、『教育は何のために存在するのか?』と問われたときの答えとして、自分の中で1つの明確な答えになっているのが『地域&社会のリーダーを育てるため』という想いがあります。

リーダーというのは使える領域が広い言葉でもあり、スポーツの世界でも政治の世界でも、学校でも一般社会でも、そこに良いリーダーがいるか否かで、その環境は大きく変わる。逆に考えれば、良いチームや環境がそこに存在するのであれば、そこには優秀なリーダーが必ず存在する。自分の経験則からそう思っています。

『地域環境、社会環境、そして日本や世界をよくしていくのも、どんなリーダーがそこに介在するかで決まっていく。』

だからこそ、教育は未来の優秀なリーダーを育てていくために存在するべき。そう思うんですよね~

地域や社会の中で誰もが認めるリーダーになるためにはあらゆる要素が求められるわけです。だからこの園ではその要素を1つひとつ育て、それらの要素がみ合わさることでリーダーの資質が開花していくという考え方。

それらの要素でいくつか挙げるとすれば、・・・

・何事もあきらめない心

・目標を持ち夢に向かっていく力(チャレンジ精神)

・自主性&主体性(他人に依存せず自分のことは自分でやろうとするスタンス)

・自信と自己肯定感

上記のワードが多くの先生から共通して抽出されました。私たちはこのような資質を子ども達が高めていけるように関わっていくというスタンスを先生たちが高いレベルで共有している園。今回の現状診断でよくわかりました。これが、浸透レベルのチェックであり、各園で差がついている部分です。

そして、更に素晴らしいのが、このようなフレーズが多くの保護者からも抽出されたこと。園の掲げている想いに共感して、子ども達がちゃんとその資質を身に着けていると実感できている保護者のシェアを高めていくことで、その園の信頼度が高まりファン創造が拡大していくということですよね。

だからこそ、保護者満足度調査で・・・

●教育方針・目標認知度・・・94%

●教育方針・目標賛同度・・・95%

●教育方針と教育内容の一致度・・・95%

●教職員の印象(明るさ、挨拶、対応など)の評価の満足度・・・92%

●日々の教育内容・カリキュラムの内容と実戦レベルの評価の満足度・・・93%

と、主要項目でかなりのハイスコア(高い満足度)になっています。上記項目で満足度90%以上をすべてキープできている園は世の中にそんなに多く存在しませんからね。

この園に通い、そして卒園してからも学童保育でこの園の教育コンセプトに触れながら過ごす時間の中で子ども達のあらゆる資質が高められていく。その継続の中で地域や社会のリーダー育成の場として地域の子育てに大きく貢献している園だと思いましたね。

それは、この園のトップである園長先生の想いが着実に先生たち、保護者に伝わって、子ども達の成長につながっているということに他なりません。

『教育のゴールは、地域、社会のリーダーを育てること』

言葉で言うのは簡単ですが、実際に本当の意味で優秀なリーダーを育てていける人こそ、優秀なリーダーである。それを今回のプロジェクト、園長先生と話す時間を通じて、あらためて実感しました。

『優秀なリーダーが次のリーダーを育てている』

だから、たくさんの優秀なリーダーを育てていくことは多いに意義があること。

我が家の子ども達もいつか、地域や社会のリーダーとして人の役に立てる人間、必要とされる人間に成長してもらいたいなと思いますし、そのためにも、まずは自分が子ども達にとってのリーダーとして認められるように日々精進したいと思います。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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