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幼稚園運営の現況や実態に思うこと ~未来への警笛が今まさに鳴り響いている~

10月15日から全国の多くの幼稚園で次年度入園対象者への願書配布がスタートしました。そして11月1日には入園受付がスタートします。

そんな時期ということで、弊社CLPのコンサルティング先やその他長年の知り合いの園長先生からちらほら現況報告のご連絡をいただくことがあります。

昨日は、今年度から幼保連携型認定こども園に運営転換を図り、園舎も新築した幼稚園の園長先生から嬉しいご報告が・・・

来年度の正職員採用が無事終わり、3名の新卒者の内定が決まりました。どの子も素敵な方でご縁のありがたさを実感しています。保護者(元幼稚園教諭)の方からもパートで働きたいという要望も頂き、その子を通園させながら働く希望を頂いています。上記にて、来年度の編制はなんとかなりそうで、まずは一安心です。

来年度の入園募集は、乳児、4年保育、3年保育共に、定員満了となりそうです。特に3年保育は募集11名に対し、20名程の面接希望、4年保育は、募集定員より少し多い面接希望、乳児については、ちょうど良いくらいと現時点ですが、園児数もV字回復のスタートラインに立ったようです。

そんな内容のメールをいただきました。こちらとしても嬉しいですね。

そして、こちらの園、この状況に甘んじることなく次なる成長に向けたご相談いただいていて、現在、学校法人としての別事業の展開に向けた準備をされていて、そちらのコンサルティングサポートを弊社CLPが担っております。

このように、少子化の厳しい地域環境の中でも、園児募集&リクルートともに良い波を引き寄せるためには、小手先の改革では難しく、時代に即した運営転換や改革が必要になってきています。

ちょっと地元である神奈川県の幼稚園運営の実態をデータで簡易分析してみますと・・・

【神奈川県の幼稚園運営の実態】

幼保連携型認定こども園 約140園(保育園からの移行モデルも含む)

幼稚園型認定こども園 約90園(全体の30%)

この10年間で、私学助成の幼稚園から、幼保連携型認定こども園に移行した園 約70園(全体の23%)

この10年間で園児数が100人以上減少した幼稚園 約100園(全体の33%)

この10年間で園児数が増加した幼稚園 約70園(全体の23%)

※全体の8割の幼稚園が継続的な園児数減少傾向という実態

神奈川県内の幼稚園児数

10年前 約137500人 ⇒ 現在 約88400人 ・・・46%の減少数

簡単ではありますが、こんな実態が数値データからわかります。

園児数が増加した園の傾向としては、園児数100人以下の小規模園が7割程度を占めています。かつてのマンモス園(400人以上クラス)は、園児数を維持することがかなり難しく100人以上の減少となっている園が100園もあるわけです。

この実態と地域の少子高齢化や新制度移行園や保育園との競争環境を考えると、昔のような園のスケールアップ戦略ではなく、スケールダウン戦略と収益性の改善を運営者は考えていく必要がありますよね。

事例として今回取り上げた、神奈川県の数字が物語るように、各エリアでの勝ち組は全体の2割という結果に・・・ここでもパレートの法則(80:20の法則)がきっちり当てはまることが浮き彫りになってきました。

つまり、幼稚園業界における本当の競争原理がきっちり働く時代へ突入しているということ。園のまわりにたくさん子どもがいたひと昔前は、運営努力をしようかしまいが、そこまで差がつかなかった。なんとなく園児はそれなりにきてくれた・・・しかし、この時代となって的確で時代に即した経営努力をしていない園は園児数維持が難しいその他8割になって、その中の下位2割は近いうちに確実に淘汰されていくということ。だって10年間で幼稚園児数が約半分になっているのが実態なので。

おそらく、これからは、幼稚園運営母体(学校法人)のM&Aの流れがちょこちょこでてくることが予見されます。私のところにもそんな相談がちらほら・・・

そんな未来への警笛が今まさに鳴り響いているわけですね。

将来、安定的な運営を維持できるのは、各エリアの2割程度だと、私は考えています。

そんな2割を維持できている組織のトップとその他8割のトップの違いは何か?

①日々アンテナの張り方(情報収集能力)

②判断力

③行動力

まず思い当たるのは上記の3つですかね。(もちろんこれだけではありませんが)

※基本的な部分から学びを得たいという方は、

 ぜひ私の著書『幼稚園の経営を劇的に変える方法』をご一読下さい。

弊社CLPの『スポット相談&ショートコンサルティング(月1回程度)』を継続的に受けていただいている横浜にある学校法人の園長先生は、常にあらゆる情報収集をされていて、私もいろいろな知見提供やアドバイスをさせていただいていますが、その園長先生からたくさんの情報もいただけるのでありがたいです。その結果として、そのエリアで唯一この10年間で園児数を増やしている一人勝ち状態。

的確でタイムリーな判断をするためにはやはり、情報の量と質と鮮度が大切だと思っていて、優秀なトップ&リーダーほどそれを肌感覚で理解しているのかなと思いますね。

そして、行動を促すための要素としては”刺激”が必要なので、あらゆる場所に足を運んだり、実際に目で見たり、体感することを大切にされています。

先日も、私がだいぶ前に運営していた幼稚園の園長先生向けの勉強会の会員でもあった東京にある地域で圧倒的な勝ち組になっている認定こども園に、仕事上の情報収集をさせてもらうための訪問したのですが、弊社がサポートしている先述した認定こども園の話題になると、「すぐに見学したいので、雑賀さん調整してもらえますか?」という会話に。

おそらく、未来の園舎設計のイメージやら刺激につなげようとしていると思いますね。実際に見ないとわからないとその園長先生はよく会話の中で話されることが多いので、まさに有言実行。

そうやって、優秀なトップ同士は互いに刺激をし合って、タイムリーで有意義な情報をインプットしながら、未来をより良くするための判断と行動の基盤を強化しているように思いますね。

なんとなく、このままでは上位2割に入れないな~とは感じながらも、何からどうやって手をつけたらいいかがわからないで、時間ばかり経過してしまっている・・・そんな園長先生も多いのかなと感じています。

わかっていはいるけれど、そのままにしている時間が多い人も、上位2割に入れない人達の特徴だとじ自分なりに傾向分析はしてます。つまり、判断力と行動力の欠如ということになるでしょう。

園児募集、リクルート、組織力強化、広報強化、運営モデルの最適化・・・などなど

基本的にすべてレベルアップしていかないと上位2割には入れません。

今までの延長線でのちょっとした努力や工夫レベルでも上位2割には入れません。

これだけは自分自身の経験値で強く思っていることであります。個人的な視点では、まだ伸びしろがたくさんある園が多いけどな~と思っています。

今回の実態データが示すように、本当に幼稚園の運営は厳しい時代を迎えています。

危機感は感じているけれども、何からどうやって手をつけたらいいかがわからないトップの方々。判断のタイミングやスピードによって、未来への回復チャンスを逃してしまうこともあります。

ぜひ、そんな不安を少しでも抱えている方は、気軽に弊社にお問い合わせ下さい。

お問い合わせフォームContact 幼稚園・保育園・認定こども園トータルサポート – Cross Life Partners クロスライフパートナーズ

少子高齢化と業界の制度改革も相まって、勝ち組と負け組が本当にきっちり分かれてきたのがこの10年間の傾向です。これからの10年間はある程度の園数が淘汰されたりM&Aをいう選択したりの時代に突入していきますので、トップやリーダーの運営&経営手腕が日々問われていくでしょう。

弊社CLPもそんな方々の一助となれるようになれたらと思って日々精進していきます。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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