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まわりからの評価や印象を気にし過ぎながら生きている人 ~インポスター症候群と自己肯定感~

 

9月に入って、秋らしさの到来・・・と感じたいところですが、まだまだ残暑が厳しいですね。

人にはいろいろなタイプがあって、自己評価という視点で言うと自分への評価が高い人もいれば、低い人もいる。皆さんはどちらの傾向をお持ちでしょうか?

自己評価が高くて、やたらと上から目線で自慢話が多い人、こういう人はまわりからの印象はあまりよろしくない。その逆に、実績や評価を得ているにもかかわらず、それを自身の能力ではなく運や他者の力によるものと思い込み、自分を過小評価してしまうような人もいる。そういう人のまわりからの印象はどうなのか?? 

自分を控えめにして、他の人を立てる人だ、自分の能力や成果を強調せず、相手に敬意を示す態度が素晴らしいといった、『謙遜』という意味合いでプラスの印象で捉える人もいるでしょう。しかし、それが毎回で度が過ぎると、違う意味で捉えられてしまうケースもあるように思います。

かつて、私がそのような、いわゆる”謙遜”の姿勢を繰り返していたのかもしれませんが、尊敬する仕事先の理事長先生に・・・

『雑賀さん、そういうときは、こちらが褒めているんだから謙遜し過ぎないで、素直に受け入れたほうがいいよ!!』

とたしなめららたことを思い出します。この度合いの匙加減こそ、コミュニケーション能力なのかもしれません。よかれと思って謙遜していた態度が、匙加減を間違えると、良い印象にはつながらないということ。このあたりのニュアンスは日本人ならではなのかもしれませんね。

最近、謙遜という意味合いとは違って、常に自分自身を過小評価していて、常に自信が持てないような人も増えていると実感しています。

そのような心理傾向を『インポスター症候群』と言うそうです。

別名『詐欺師症候群』とも言い、自分自身を詐欺師のように感じ、そう思い込んでしまう傾向が強い。

自分の能力で成功、達成したとは思えず、他の誰かの力とか運でそうなったと・・・

ちなみに病気ではないそうで、あくまでも心理的傾向の問題。

そのような人の共通因子として自分なりに思い当たることは・・・

①自己肯定感が低い(常に自信がない)

②完璧主義

③過去の失敗体験やトラウマを引きずっている

そんなところでしょうか。おそらくその人に与えられてきた環境や時間が起因して上記の要因が構築されてしまっているのかなと。それはまわりの親や人たちからの・・・

『過度な期待とプレッシャー』
 ⇒~であるべき、~でなければならないという言葉や風潮

『認められる環境が与えられなかった』
 ⇒承認欲求が満たされない環境の継続性

上記のような部分が色濃い環境の中に身を置いている時間が長ければ長いほど、自信がどんどんなくなって、完璧にやらなければというプレッシャーに追い込まれ、別に誰も、失敗や他の人よりも劣っているといっていないのに、一人で勝手にいじけてしまう。

『自分は能力がない人間』

『自分は他の人に比べたら何もできない人間』

そのような時間の積み重ねの結果として、『インポスター症候群』と言われる心理的傾向になってしまうのかなと自分なりには思うところです。

自分の仕事柄、『インポスター症候群』ではないかと疑われるような人と遭遇することもありますが、その度合いを体感しながら謙遜レベルなのかそうではないのかを判断するようにしています。

兆候としてチェックしている視点いくつかあるのですが、あえてここで整理すると・・・

・謙遜や自己卑下のレベル(過度になっていないか、継続的になっていないか)

・褒め言葉や承認フレーズへの戸惑い感(表情や態度)

・まわりの人と当人の過剰な比較(過度な劣等感)

・完璧を求める姿勢や細部にこだわり過ぎる傾向(細かいことへの執着)

・挑戦&チャレンジへの消極的姿勢(過度な保守的傾向)

・仕事や業務課題に対する不安と強いプレッシャー(ネガティブフォーカス)

なんとなく整理してみましたが、このような部分を対峙しながらチェックしているような気がします。つまり・・・

『まわりからの評価や印象を気にし過ぎながら生きている人』

ということになるでしょう。

自分がAさんやBさんやCさんにどう思われているのか?

それを常に気にしながら、心配しながら時間を過ごしている。かつ、”どう思われれているか?”に対してネガティブイメージ先行型なので、そんな生活タイムの中で常にストレス&不安が蓄積していくわけです。

人間、私も含めて誰しもそのような傾向はあると思いますが、そのレベルが過度で継続性があるとそれはそれで人生に関わる問題になるのでしょう。そういう人は、”いつも窮屈”な感覚なのかなと。自分が窮屈だけならまだしも、まわりにもその窮屈さは連鎖してしまう傾向があるので、それはそれで厄介かなと。

でも、そのような方によくお伝えするのですが・・・

『自分が思っているほど、まわりの人はあなたのことをそこまで気にしていませんよ』

ということ。まあそう伝えてすぐに自己改善できれば簡単ですが、そう簡単なことではないのが現実。

まあ、シンプルに考えると、やはり・・・

『自己肯定感の有無やそのレベル差が、自己コントロール力の差に大きな影響を与えている』

そこは確かかなと思います。

インポスター症候群を減らしていくためにも、自己肯定感に影響を与える環境づくりが大切になるわけですが、それに関しては、かつて書いた以下のブログ記事をご参照下さい。

普段、幼児教育の現場にいたり、その関係者とお話しするような 機会が多いのですが、最近よく聞く言葉は・・・ 『自己肯定感』『非認知能力』 そんな言葉が頻繁に会話の中で登場し
2021-05-17 17:23

上記ブログ記事にも書いてありますが、

『自己肯定感を高める上で最も大切なものが”安心感”

子どもにとっても大人にとっても、

『自分が守られている』
『どんな意見を言っても受け入れてくれる』
『自分が多くの人に愛されている』

そんな環境が必要とされている中で、親や組織のトップの環境プロデュース力が問われているわけです。

保護者向けの講演会などでは、『親の不安定は子どもに伝播するというメッセージをお伝えすることがあります。そんなことを伝えている自分もやはり不安定な時はありますので、自分への戒めとしてもこのブログを書いています。

子ども達の人生が、窮屈で不安だらけでプレッシャーに押しつぶされるような人生になってほしくないのはどんな親でも共通の思いなのかなと思いますので、インポスター症候群という心理的傾向のお話を通じて自分の考えを整理してみました。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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