退職&転職の決断とポイント ~新しい場所で土台となる信頼づくりを優先する~
- 2025.09.11
- MESSAGE園トータルサポートCONSULTING
9月に入り、弊社のコンサルティングサポート先の幼稚園・保育園・こども園に日々訪問すると・・・
次年度の先生達の進退確認の結果の報告や、その結果を踏まえての相談を受ける時間が増えています。
以前は、10月の運動会を終えて進退確認のタイミングをとるところが多かったのですが、最近はタイミングが前倒しとなり、8月~9月くらいにそのタイミングをとるところが増えています。
①継続希望
②退職希望
③継続or退職の決断に迷っている状態
各人の①か②か③の確認をした上で、必要とあれば個別で面談を行っていくという流れが多いですかね。コンサルティングサポート先では、その面談を私に依頼される園もあります。
弊社コンサルティング先ではありませんが・・・
8月末に19人いる教職員のうち12人の教職員が一斉退職をしてしまったというこども園があるそうです。新聞にも大きく掲載されてしまった。年度末のタイミングであればまだしも、年度のど真ん中のタイミングで半分以上の先生が退職してしまう園。
明らかに、運営&組織マネジメントに大きな問題があったことは間違いないでしょう。退職した先生方がどんな気持ちで退職したのかはわかりませんが、いろいろな気持ちが入り混じってのことでしょうし、本来はそんなことをしたくないはずなんですけどね・・・残念。
退職する人と面談することもあるわけですが、そんな人に向けて自分の考え方をメッセージ化したブログ記事があるので、以下リンクしておきますのでぜひご一読下さい。
この記事にも書きましたが、退職にも大きく分ければポジティブパターンとネガティブパターンがありますし、辞め方も大切だと思いますね。次のステージをより良いステージしていく意味でも!!
退職決断をしたということは、次のステージに向かう決断をしたということでもあります。(それが決まっていない人もいれば、一旦休憩タイムに入る人もいますが)
そんな状況の人達にも相談されることはあるのですが、いくつかお伝えすることの1つとして・・・
『土台となる信頼づくりを優先する』
そんな話をしています。転職して新しい環境や職場に、身を置くときに、前の職場での評価や実績がそれなりに高かった人ほど『自分の力や実績を証明したくなる』傾向が強い。
でも、その場での自分の土台が作られていないのにそれをやってしまうと、ちょっと浮いた存在になりますよ・・・そんな話。
順番を間違えないようにしたほうがいいですよね。自分自身の存在価値を証明したくなるのはわかりますが、まず最初にやるべきなのは、新しい職場で働いている方々との信頼関係づくり。
『自分の中では正論であり、今までやってきて自信のあることでも、新しい職場ではうまく理解を得られないというジレンマ。』
その根源的原因は・・・『まだあなたはチェックされ警戒されている段階だということ。』
人間は本能的に、新しい因子が入ってくることに対しては、必ず警戒心があるんです。
「どんな人なんだろう?」
「どんな性格をしているんだろう?」
「どんなことに興味があるんだろう?」
そうやって、自然と先住者からチェックされ、警戒され、仲間にするべきか否かの吟味がされている。これは人が生きながらえるための遺伝子として組み込まれている。
そういう吟味ステージにいることを感じ取り、ちょっとした恐怖心からフリーズしてしまったり、自分を強く見せようと、あえてアピールをしようと思ってしまう人もいるが、それは、残念ながら逆効果。
そんなステージのプロセスで、先住者からの信頼を得るために私が推奨していることは・・・
『傾聴すること』(先住者の話をしっかり聴くこと)
つまり、先住者とのコミュニケーションの質を高めることで、仲間に迎え入れたい人材だと認識してもらうことが大事であり、最初のステージで注力すべきポイントになりますかね。
私の経験値の中で思っていることは、
『コミュニケーションの源は、傾聴である』
ということ。コミュニケーション力が高いというと、話すのが上手というイメージを持つ方が多いのかもしれませんが、私は、話すことよりも聞くことのほうが大事であり、コミュニケーションのベースだと思っています。そんな話もかつてのブログ記事に書きましたので、以下リンクしておきます。ぜひご一読下さい。
履歴書に転々とたくさんの職場移動してきた過去が記録されている方にお会いすることがありますが、おそらく新しい職場での初期ステージにおける順番が逆なんじゃないかなと・・・
「私の意見を聞いてくれない」
「私の提案をちゃんと理解するレベルの組織ではない」
「私が今までやってきたやり方ではない」 などなど
そうやって、自分の力や実績を証明したくなる気持ちはわかりますが、そう思うんだったら、まずは信頼関係づくりをして、仲間に迎え入れるべき人材という認識のハードルをクリアしてから、その力を発揮していけばいい。そこを履き違えたまま、数年間、自分の居場所探しで疲労している、そしてさまよっているのかもしれません。
『相手や新しい職場に問題があるのではなく、自分自身の問題である』
真因に気づいて、順番を変えられたとき、自分の本当の居場所が見つかっていくのではないでしょうか。
今日は、最近のコンサルティング現場での進退相談のシーンから、普段自分自身が感じていることを整理してみました。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。