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コミュニケーション能力のベースは”共感性” ~共感性は、多くの人達と直接会話することで育まれる~

先日、コンサルティング先の認定こども園の園長先生と話していると・・・

『うちの主任の先生、業務全般を進める能力は高いけれど、チームのマネジメントは苦手・・・』

『本人は、私はまわりから信頼されていない、理解されていない・・・とよく言うけれど』

そんな内容で悩んでいる様子。

そこで今回のテーマは『共感性』

自分の経験値や学びの中で、

コミュニケーション能力の差異を生んでいる根源的ポイントは「共感性のレベル差」

だと考えています。

共感性とは、簡単に言えば

『相手の喜怒哀楽などの感情を自分のことのように理解できる能力』

であり、社会性やコミュニケーションの発達に密接に関わり合っている言われています。

①相手の気持ち(心理や感情)を理解する能力が不足している

=②インプット情報がずれている=③アウトプット対応がずれてしまう。

そんな①②③の流れになっていると思うのです。

アウトプットとは、相手に対する言葉かけや行動と言い換えることができます。

相手の気持ちを感じとる共感性が足りていないということは、最終的に良かれと思ってやっていることが相手のニーズとうまくかみ合わない結果をもたらしてしまうということ。

このような現象が世の中のあらゆる場面で毎日のように繰り返されている。

でも、本人としては悪気があってそうしているわけではないので、なかなか修正や調整や改善が難しい。

前述したこども園の実例のように・・・

「あの人、仕事の能力は高いけれど、社会性の部分に問題があるんだよね・・・」

「あの人、まじめでいい人なんだけど、全然気づけないんだよね・・・」

そんな会話を耳にしたり、相談を受けたりすることも多いように感じます。

東北大学脳科学センターの滝靖之教授のお話によると、

『共感性は、多くの人達と直接会話することで育まれる』 

そうです。

そこで1つ思い当たることは、昨今スマホ&SNSの普及によって、直接的な会話が明らかに減少していることは、共感性育成の部分でかなりマイナスに作用しているだろうということ。

この”直接会話する”ということがポイントなので、特にこれからの未来を担う子どもたちには、意識してたくさんの人たちと直接話す機会を増やしてほしいものです。

なぜ、子ども達なのか??

脳内でコミュニケーションに関わる領域は「前頭葉」になりますが、前頭葉は脳全体の発達過程で最も遅く成熟するそうです。前頭葉の中でも特に意思疎通で重要な役割を果たす「前頭前野」は思春期近くに発達のピークを迎えるとのこと。

ということは、幼児、小学生、中学生くらいの時に、家族、友人、その他の人達と多くの直接的なコミュニケーション機会を持つことで、共感性が大きく育つということになりますよね。そこで育てておかないと、大人になってからではなかなか難しくなっていくと感じています。それは、コンサルティング現場で、いろいろな人にアドバイスをしていても正直日々感じていることなのです。

『頭ではわかってくれているけれども、それを行為で改善できない人』

とても多いと感じています。先ほど、登場した認定こども園の主任さんも頭では自分の課題だとわかっているはずですが、それをなかなか改善することができていない。

それは、いろいろな要素が絡んでの結果だとは思うのですが、本質的で根源的な要因としては、共感性の部分がその結果を生んでいる割合も大きいのかなと・・・そんな話を園長先生にもお伝えしました。

社会やその人がいるコミュニティーの中で共感性の高い人は以下のようなことが自然とできているのではないでしょうか。

①相手のニーズや口にしない気持ちを予測、察知できる

②相手の感情を自分の感情のように感じ取れる

③相手の視点からいろいろなことを検討、考察できる

上記のような能力がベースにあるからこそ、その場の状況や人の気持ちに沿った適格なコミュニケーションや行動を日々継続できる可能性が高い、だから信頼されていく。

逆に言えば、共感性の低い人は上記のような能力がベースにないのでその場の状況や人の気持ちに沿ったコミュニケーションや行動ができずに、よかれと思ってやったことでもまわりからみると少しずれている。そんな日々だから人と一緒に過ごせば過ごすほど残念ながら信頼を失っていく。

そんな差が、人生の時間軸の中でお互い蓄積しているのが現実なんだろうなと思います。

そして、幼児教育の現場で更に感じていることは・・・

『子どもの共感性は親の共感性と連動傾向が高い』という現実。

親が感じ取れないのだから、子どもだってそうなってしまう・・・もちろんそうでないパターンもあると思いますが、その傾向は高いと感じています。

『子ども達の共感性を育むこと、感じとる力を育むこと』

その子が将来、あらゆる場所でコミュニケーション能力を発揮して信頼を積み上げていくためには、共感性のレベルが高いことがとても重要なファクターだと最近強く感じています。

それは、今の大人の世界で起こっている現象を見ればわかる。

共感性のレベル差によって社会の中でのいろいろなコミュニケーション差異が生まれていますし、それは年をとればとるほど、身に付けにくくなることもいろいろな人を見てきたことでわかってきました。

そんな思いを現場コンサルティングの実例を踏まえて今回は自分なりに整理してみました。

スマホやSNS等でとても便利な時代になっているのは良いことですが、その反面、人間として大切なことも失う可能性が高くなっているという状況も頭に入れながら賢く生活をしていくことが大切なんだと思います。

『コミュニケーション能力のベースは”共感性”」

まさにそう思います。

お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。

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