人材育成スキル『人間の6つの根源的ニーズを理解する』~相手と自分のニーズは違う~
- 2025.06.18
- MESSAGECONSULTINGPERSONAL COACHING
人材育成 チームマネジメント シックスヒューマンニーズ 人間の根源的ニーズ
昨日の記事で、人材育成やチームマネジメント力を高めていく大前提として
『何かを伝えるよりも前に、その相手をよく理解すること』
というメッセージを書きました。”相手をよく理解する”ための基本スキルとしてまず必要なのは・・・
『傾聴のスキル』+『質問のスキル』
この組み合わせ力により、相手の心や頭の中をうまく整理しながら認識を深めていくプロセスこそ相手をよく理解していく重要な時間となるでしょう。
そのポイントについては以下のブログ記事に書いてありますので、ご興味ある方はクリックしてご一読下さい。
今日はそれに加えて・・・
『自分のニーズと相手ニーズは違うことを理解する』
というテーマで自分なりの見解をお伝えしたいと思います。社会生活の中で、自分と全く同じ考え方や価値観の人間はいないわけで、少なからず個々のそれらは大きく異なっていたり、同じ部分と異なる部分があったりするのが現実かと思います。
そのギャップによって事がうまく進まないときもあるし、逆にそのギャップがあるからこそうまく進んでいく場合もある。かつて受講させてもらったコーチングの知識とスキルを学ぶ勉強会で、有名なアンソニーロビンズが提唱した【人間の根源的な6つのニーズ】について学びました。
ニーズ(欲求)と言うと、『マズローの欲求5段階説』をイメージされる方が多いと思いますが、それは基本中の基本ということで今回はそれとは異なる根源的ニーズのご紹介。
【人間の6つの根源的ニーズ(シックスヒューマンニーズ)】
①安定 ②不安定 ③重要感
④つながり ⑤成長 ⑥貢献
『働く上で、生活をする上で、上記の6つのニーズのどれを大切にしているのか?』
安定ニーズとは、安心のニーズとも呼ばれて、モノゴトを進めていく上で、肉体的にも精神的にも安定的に着実に確実性がある状態で進めていくことを優先したいという欲求となります。ある意味、無謀だと感じることや先の読めないようなことはあまりしたくないという考え方とも言えます。
不安定ニーズとは、安定とは反対に、同じことを繰り返しているよりも新しいことにチャレンジすることを優先したいという欲求となります。変化しないことのへのリスクを感じる、常に刺激的で新鮮な感覚を求めたいという考え方とも言えます。
重要感ニーズとは、自分自身に価値があると実感できる状態や立ち位置での影響力を優先したいという欲求となります。まわりの人たちから一目置かれて、必要であり重要だと感じられる状態での仕事や生活を求めたいという考え方とも言えます。
つながりニーズとは、一人だけの時間よりも、他者との相互理解を得たつながりを感じる時間を大切にしたいという欲求となります。共感、共通点、一体感、共通した価値観をベースに人とつながりながら仕事をすること、生活環境を楽しむことを求めたいという考え方とも言えます。
成長ニーズとは、自分の知識やスキルの向上、経験値の積み上げなどを通じて成長を実感できる時間や機会を優先したいという欲求となります。自分が成長促進されていくような職場で働きたい、生活経験の中で新しい知識を身に付けられるような機会などを求めたいという考え方とも言えます。
貢献ニーズとは、相手のニーズを満たすことで感謝されたり、世のため人のためになるような時間を過ごすことを大切にしたいという欲求となります。利己的な目的ではなく、まわりの人たちや地域の人たちに喜んでもらったり、困っている人を助けたりすることで貢献感を感じられる機会を求めたいという考え方とも言えます。
『さて皆さんは、この6つの根源的ニーズの中でどのニーズが一番自分が持っているニーズでしょうか?』
自己分析などをサポートするコーチング&コンサルタイムでは、上記6つから2つに絞ってセレクトしてください。と促すこともあります。
性差的傾向で言うと、男性は「重要感ニーズ」が強い傾向があり、女性は「つながりニーズ」が強い傾向があるそうです。まああくまでも傾向値なので、絶対値ではございません。
自分のまわりにいる人たちと各々のニーズセレクトをしてもらえばわかると思いますが、各々のセレクトがすべて一致することはありませんよね。
『安定と成長』という人もいれば、『重要感と貢献』という人もいるかもしれない。
つまり・・・
『組織やチームは、自分と違う根源的ニーズを持った人たちで構成されている』
という現実と事実をちゃんと認識した上で人材育成やチームマネジメントが必要である。ということですよね。
例えば、自分自身が不安定ニーズが強い傾向があるので、良かれと思って部下に・・・
『この仕事はこれまでのやり方が通用しないチャレンジングな仕事だから、本当にやりがいがある仕事なので頑張ってほしい。』と伝えたくなる。
しかし、その部下が安定ニーズが強い人だったら・・・心の中でこんなフレーズが・・・
『そういう仕事一番やりたくない仕事なんだよな。先が見えていないので、どう進めていけばよいかわからないし、ぜんぜんモチベーションがあがらないな。』
これがまさに・・・
『相手を理解していない上司がやらかしているコミュニケーションのズレ』というやつ。
本人は、部下のモチベーションアップにつながる仕事を与えている思っていますが、それとは真逆の心理現象が起こっている。
重要感ニーズが高い人間に、何かを頼むときには・・・
『このプロジェクトは普通の人ならかなり難しいレベルなので、Aさんにしか頼めないプロジェクトだと思っているのでよろしく頼むよ。』
そのプラスアルファの一言、一工夫で、Aさんのモチベーションは高まる可能性が高いわけですよね。
これが、『何かを伝えるよりも前に、その相手をよく理解すること』という意味とポイントですかね。
相手のニーズや価値観を理解した上で、適切なフィードバックやコミュニケーションをとれれば育成効果は高まるでしょう。人間には心理がありますので、相手の心理状態をうまく理解して関係構築していくことが、人材育成やチームマネジメントの力を高めていく上で重要。
一生懸命、まじめにやっているけれど、このポイントがずれているところで損をしていたり、まわりからネガティブな印象になってしまっているトップ&リーダーの方々も少なからず存在しますので、今日は私なりの見解をお伝えしてみました。
皆さんも、相手とのニーズギャップを理解しながら、仕事や生活タイムを賢く楽しく過ごしていただけたらと思います。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。