才能を伸ばす目標設定とトレーニングのコツ ~常にできる状態とちょっと難しい状態を繰り返す~
- 2025.05.15
- PERSONAL COACHINGMESSAGECONSULTINGSPORTS
経営コンサルタントやパーソナルコーチとして、組織の成長や個人の成長サポートに携わる日々。
特にコンサルティング対象となる主な業種が幼稚園だったり、保育園だったり、こども園だったりするので、幼児教育の現場に身をおく時間も多い。そしてプライベートでは、ジュニア世代のサッカーコーチとして子ども達に触れ合う時間もある。
そんな時間の中で、最近なんとなく気になっていることが・・・
『自分が苦手、得意ではないことに対して向き合わず、なんとなく逃避傾向な人たち』
もちろん、ある程度、いろいろな部分が成熟した上で、自分のストロングポイントを伸ばしていくというプロセスは理解できるのですが、まだまだいろいろなことが未成熟な段階なのに、苦手だから、得意ではないから、他の人よりも自分が劣っている部分だからという意識が先行してしまって、自分自身の課題に対して、見て見ぬふりをしてしまう人がちょっと多いのかなと各種現場で実感することがあります。
人間として段階的に総合的に成長するために、そして更に成熟度を高めていくためには・・・
『できることだけやっていても才能は開花しない』
そう思っています。まず・・・
まわりにいる人たちや与えられた環境枠の中で、自分のポジショニングを正しく認識する力があるかないか。
この力の差も上記の実態に影響を与えているポイントなんだろうと思います。
つまり、”井の中の蛙”状態で、小さな枠の中だけで自分のポジションを認識していると、大枠ではだいぶずれているということに気づけなくなる。小さな枠内では通用していることも、大枠に身を置くと、通用しない・・・でも、小さな枠内で自己満足してしまうことってあると思うのです。
例えば、自分の息子の事例で言えば、小学1年生からスタートしたサッカーもそれなりに練習を積み重ねてきているので、自分の所属している小学校のチーム内ではそれなりの存在感を発揮できています。
まわりのメンバーからも少し一目置かれるような感じ。でも、40年サッカーと携わってきた雑賀コーチにとっては、そのレベルではまだまだという感覚。
だから、3年生から平日にサッカースクールに通うことを推奨して、今日も夕方からそちらのスクール練習に参加する予定です。そのスクールは、各人のレベルに応じたクラス編成がされていて、コーチに認められたり、テストをクリアすれば上級クラスに昇格していくことができるシステム。
いつものチーム内では通用しているプレーも、上級クラスのメンバーと対峙するといつものようにはいかない。それが私としてのねらいでもありまして・・・
1つの場所では「できていること」も違う場所に行くと「できていない」と判断されることがある。
『できるレベルにも大きな差がある』
ということなんですよね。いつものチーム内ではリフティングが50回できたらヒーロー的扱い、でも上級クラスに身を置くと、50回なんてみんな当たり前にできる。そこで、
『小さな枠内での自分のポジションと大きな枠内での自分のポジションの誤認を体感する。』
この体感が大事だと思って、息子にそのサッカースクールを推奨しました。
『理屈よりも体感』のほうが、本人にとってはわかりやすいですからね。
でも、”ポジションの誤認”を体感したときの捉え方は人ぞれぞれ。そこで前向きのチャレンジスイッチが入る人もいれば、逆に後向きのあきらめスイッチのほうに進んでしまう人もいる。
あきらめスイッチはある意味の潔さとも捉えることができますが、その中間と言いますか、私の中では『ごまかしスイッチ』と呼んでいるのですが、なんとなくやっているふりをする感じの人がけっこう多くなっているのかなと感じています。
例えば、サッカーの指導現場で体感していることですが、得意なスキルの練習のときは笑顔で楽しくやっている子がいますが、自分が苦手でその他メンバーよりも劣ると認識しているスキルの練習になると、グランドの端のほうにいって、目立たない場所で、なんとなくやっているふりでごまかし練習をする子が少なからず存在する。
この感覚のまま大人になっていくと、先ほどお伝えしたように・・・
『自分が苦手(得意ではない)ことに対して向き合わず、なんとなく逃避傾向な人たち』
になっていく予備軍なわけですよね。
そんな実態を踏まえて、才能を伸ばすポイントやコツとして自分なりに思っていることは・・・
『いきなり難しい自分の限界をやろうとしてもその人の才能は開花しない。トレーニングの中で、自分の限界を感じたら少しレベルを下げてやり続け、自分のできる領域を段階的に増やしていくことが大切』
急に難しい課題へのチャレンジを強いられると人間誰しもハードルが高すぎると感じてしまいます。だから、その人にとっての次の適正なチャレンジレベルを自分で見つけるか、指導者や上司が提示してあげることで、あきらめスイッチやごまかしスイッチをチャレンジスイッチに転換していくことがポイントなんですよね。
だから、サッカーの指導現場では私が全体統括でコーチングするのですが、その他のパパコーチにごまかしスイッチが入っているメンバーに個別についてもらって、その子にとっての適正レベルの指導をしてもらうことで全体調整をしています。
このような役割分担って、大人の社会のチームマジメントや組織活性化としても大切なことだと思いますし、共通ポイントだと思うんですよね。
私は現場ではこれを『1.2倍の精神』とお伝えしています。
詳細は以前書いたブログ記事をリンクしておきますので、お時間ある方はご一読下さい。
まあ、ポイントは・・・
『常にできる状態とちょっと難しい状態を繰り返す』
ということなんだと思います。できることだけやっているのは現状維持でしかない。でも急にハードルが高すぎる挑戦やトレーニングだと足がすくんでフリーズしてしまう。だからこその”ちょっと難しい状態”、これを、私は1.2倍という数値表現で説明しています。
今の2倍やれと言われてもハードルが高いけれども、1.2倍だったらできるかもしれない。そんな人間心理をうまく自分でも他人にも活用していくこと。でもAさんに対する1.2倍の負荷と、Bさんに対する1.2倍の負荷は違う。そこを見極めて個別アプローチできるかも指導者やリーダーとして大切なポイントになります。
セルフマネジメント、チームマネジメントにおける思考ポイントとして、お伝えしています。
『自信を維持しながら、挑戦し続ける』
そんな時間を継続できていくと、その人の才能が開花する可能性が高くなる。
逆に言えば、
『自信を維持することができない、だから挑戦することから逃げ腰』
そんな傾向を感じる子ども達や若い世代の人たちがある一定数存在していて、もったいないなと。だってその状態から脱出していかないとその人が咲かすことができるはずの才能が開花しにくいので・・・
最近どうもそんなことが気になってしまうので、今日は、その実態に対して自分なりの見解を整理してお伝えしてみました。皆さんも日々のライフタイムが、『常にできる状態とちょっと難しい状態を繰り返す』時間になっていたら、それは自分にとって充実した意義のある時間を過ごせている。と捉えたらよいのでしょう。
逆に『できることだけやっている時間がほとんど』だとしたら、現状維持であり、咲くはずの才能の芽に栄養が与えられていないもったいない状態。と捉えたらよいのでしょう。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。