人材育成スキル『フィードバックとサンドイッチ話法』~言い方、伝え方ひとつで相手の気持ちは大きく変化する~
- 2025.06.17
- PERSONAL COACHINGMESSAGECONSULTING
サンドイッチ話法 説教とアドバイス マネジメントスキル 人材育成
今日はかなり暑くなっていますが、皆さん熱中症など大丈夫でしょうか。まだカラダが暑さに慣れていないこの時期だからこそ注意しないといけませんよね。
お知らせにも掲載しましたが、7月4日に「品川区立幼稚園長会」から講演依頼をいただきました。
対象者は園長・副園長・主任教諭で、講演テーマは・・・
『幼稚園を取り巻く現状とこれからの管理職に期待すること』
~次代を担う人材を育てる~
ということで、管理職の方々に対するチームマネジメントや人材育成のポイントをメインでお伝えする講演会になるわけですが、最近は、園児募集やリクルートなどのマーケティング面だけではなく、園のマネジメント体制強化や人材育成スキルに関するテーマでの講演依頼も以前より増えているような感覚があります。
上記対象者のキャリアステージになると、組織やチームのリーダーとして陣頭指揮をとり、若い教職員を育成していく役割が求められます。でもなかなかこれまでの時間軸の中で、特別にチームマネジメントのレクチャーをあまり受けたことない管理職の方もこの業界は多いのかなと・・・
一般企業ではキャリア別(階層別)の研修や育成システムがしっかり構築されているところも多いですが、幼稚園や保育園やこども園単体で、それが構築されているところはあまりないですからね。
組織やチームや個が継続的に成長推進していくために、基本的にはPDCAサイクルを回していくのが一般的な概念となりますが、セルフPDCAがまだうまくできない若い方々に対して、上司やリーダーは、C(チェック)&A(アクション)行程のサポート役となることが期待されます。そのためには・・・
『適格なフィードバック』
が求められるわけですが、フィードバックスキルの相談もリーダークラスの方々から受ける機会は多いですかね。そもそも”フィードバック”とは?
『ある行動や成果に対する反応や評価を相手に伝えること』
『上司が部下の行動や成果に対して評価やアドバイスを行うことで、部下の成長を促していく手法』
そんな意味になろうかと思います。つまり、現場において、的確なフィードバックができれば、部下や若手を上手に育成していくことができるとも言えるでしょう。
でも、頑張ってフィードバックしていても、それが育成になかなかつながらないという悩みを抱えている方々も多い。まず私が大前提としてお話しすることは、
『説教とアドバイスは違うということ』
本人は適格なフィーバックとしてアドバイスをしているつもりでも、相手がそう捉えていなければそのフィードバックは効果的に作用しないわけです。
それに関しては、以前書いた記事がありますので、そちらをご一読していただけたらと思います。
上記のブログ記事内容のキーワードだけ拾うと・・・
『自慢話は自分の欠乏感を埋める行為』
『聞く8割、話す2割の法則』
『人はちゃんと聞いてくれる人にしかちゃんと相談しない』
『人は正しいことを自分で気づいて、知って、実行したい』
これらをインプットした上で、マネジメント対応をしていかないと、ただの説教をしているだけの人になってしまうので注意が必要です。(本人は気づいていないパターンも多い)
それを大前提として、コンサルティング現場で、リーダークラスとしての人材育成の場面や、先生としての子ども達を指導する場面での効果的なスキル&テクニックとしてお伝えしているのが・・・
『サンドイッチ話法』
現場の行動や成果を経て、上司やリーダーとして部下に伝えたいこと、先生として子ども達に伝えたいことは常に発生していると思います。そんなときに伝えたいことをいきなり伝えるのではなくうまくクッションを使って伝えていくテクニックとなります。
①ポジティブワードやフィードバックからスタート(聞き入れるマインドへの準備)
②本当に伝えたい内容をフィードバック(具体的な改善点や修正点を伝える)
③ポジティブなメッセージで締めくくる(心のプッシュ)
上記の説教とアドバイスの内容でも書きましたが、相手本意、つまり相手の気持ちに寄り添って、その気持ちを良い意味でコントロールしながら伝えていくフィードバックプロセスとも言えるでしょう。
①『いつも前向きな姿勢で頑張っているところはAさんの良いところだし、その姿勢がチーム全体にもよい影響を与えていることはとても感謝しているよ。』
②『今回の結果や行動を見ていて感じたことは●●で、そこから更に成長してもらうためには××のところを改善していく必要があると感じたけれど、Aさんはどう思う?』
③『Aさんもそこの部分は同じように感じているならぜひ、その前向きな姿勢で次回までに改善してほしいね。Aさんならチームメンバーと協力しながら進める力があるから、期待しているよ!!』
まあかなり簡単なイメージでお伝えするとこんな流れになるでしょうか。まあ実際にはもっと相手との関係性のレベルで、細かいテクニックややりとりが必要になるのが実態でしょうが。
『人は正しいことを自分で気づいて、知って、実行したい』
わけですから・・・
本人が自分自身で気づいてもらうサポート(アプローチ)
正しく状況を認知してもらうサポート(アプローチ)
実行したい、実行すべきとモチベーションが高まるようなサポート(アプローチ)
をしていくことが重要ポイントになりますよね。
しかし、気づきを奪うアプローチ、認知を相手に考えさせるよりも先に伝えてしまうアプローチ、実行を脅しながら促すアプローチをしてしまう上司やリーダーが存在するのも現実。だいたい、そういうアプローチ傾向のある人は、自分がそういうアプローチで育てられてきた人が多いと感じます。
もちろん、現実的には相手の意識や感度に応じて、上記のアプローチを個別調整しながら進めていく必要がありますよね。だから、私が良くそのキャリアステージの方々にお伝えしていることは、
『何かを伝えるよりも前に、その相手をよく理解すること』
そうでないと、1つひとつのアプローチがずれていく・・・よかれと思ってやっていることが逆効果になってしまっている人たちがたくさんいらっしゃるので。
サンドイッチ話法は、何もビジネスという場面だけではなく、指導者と選手の関係性、親子の関係性や教育現場などでもとても有効に活用できる万能スキルだと思っています。
『前向きなワード+残念・言いにくいお知らせ+前向きなワード』=サンドイッチ
ビジネスでもプライベートでも相手の心理にとってマイナスであり残念なことを伝えなくてはいけないシーンはどうしてもあるでしょう。そんなときでも、サンドイッチ話法を活用すれば少しは伝えやすくなり、相手の心理的負担も軽減されるので、日常のシーンでもうまく活用してみてください。
『言い方、伝え方ひとつで相手の気持ちは大きく変化する』
ということですよね。自分も日々のシーンの中で気を付けたいと思います。
お読みいただいた方の何かのヒントと未来のハッピーに少しでもつながれば幸いです。